BMWの上位グレードでのみ搭載されていたタイヤ空気圧監視システム(TPMS・直接式)が2024年内に全グレードで標準搭載する予定との情報をBMWZoneが入手!
TPMSといえばタイヤの空気圧や温度情報をモニタリングし、パンクリスクがある際には警告を上げてくれると言う非常に重要な安全に関わるパーツなのです。日本では未だ義務化はされていないのですが、主要各国ではすでに何年も前から義務化されており出遅れている日本。そんな中、BMW全グレードで標準搭載の情報が!
日本のTPMS事情をBMWが牽引するかもしれません。
この記事では、TPMSの義務化に向けた動きや日本の搭載車の現状について詳しく解説します。
この記事のポイント
・日本でTPMSが義務化されていない理由
・欧州などでのTPMS義務化の状況とそのメリット
・日本におけるTPMSの普及に関する課題と現状
・TPMSの「間接式」と「直接式」の違いとそれぞれのメリット
BMWが2024年内に全グレードにTPMSを標準採用!日本での義務化について
・TPMSとは
・2023年度 ロードサービス出動理由
・路面清掃回数の減少
・TPMSの必要性
・タイヤ空気圧センサーは日本で義務化されている?
・欧州やその他TPMSが義務化されている国
・日本のTPMSの電波法に基づく規制
TPMSとは
TPMS(Tire Pressure Monitoring System)とは、タイヤ空気圧監視システムのことを指します。このシステムは、車両のタイヤの空気圧を常に監視し、空気圧が低下した際にドライバーに警告を出す役割を果たします。TPMSはタイヤのエアバルブ内にセンサーを内蔵し、車体側の受信機に無線でデータを送信する仕組みで、異常があれば車内の警告灯が点灯し、ドライバーに知らせるというものです。
TPMSには「直接式」と「間接式」の2つの方式があります。直接式はタイヤの内圧をセンサーで直接測定する方法で、高精度かつ信頼性が高いのが特徴です。一方、間接式はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の車速センサーを利用してタイヤの回転数を監視し、空気圧の低下を間接的に検知します。間接式はコストが低いものの、精度は直接式に劣るとされています。
TPMSは車両の安全性を向上させるための重要な装置であり、特に高速道路や長距離運転時に、タイヤのトラブルを未然に防ぐことが期待されています。
そんな重要なTPMSが、日本ではBMWを含む自動車メーカーで、一部のグレードのみに搭載されている状況で、2024年内にBMWが全グレードでTPMSを標準搭載する予定とのことです!
2023年度 ロードサービス出動理由
JAFが公表しているロードサービスについて。一般道と高速道路合わせた結果です。
順位 | 出動理由 | 件数(四輪・二輪合計) | 構成比 |
1位 | バッテリー上がり | 933,421件 | 41.14% |
2位 | タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足 | 453,172件 | 19.97% |
3位 | 落輪・落込 | 139,570件 | 6.15% |
興味深いのは道路別で見た時です。以下は一般道での出動理由。2位にタイヤのパンクエアー圧不足が来ています。
順位 | 出動理由 | 件数 | 構成比 |
1位 | 過放電バッテリー | 735,194件 | 34.75% |
2位 | タイヤのパンク、バースト、 エアー圧不足 | 414,869件 | 19.61% |
3位 | 破損/劣化バッテリー | 169,625件 | 8.02% |
高速道路の出動理由を見てみると、タイヤのパンク、エアー圧不足がぶっちぎりの1位。
順位 | 出動理由 | 件数 | 構成比 |
1位 | タイヤのパンク、バースト、 エアー圧不足 | 25,432件 | 40.10% |
2位 | 燃料切れ | 6,679件 | 10.53% |
3位 | 事故 | 5,203件 | 8.20% |
タイヤの減り具合、空気圧不足、事前にわかっていたらほぼほぼ防げますよね。
ロードサービスを呼ぶ費用や時間を考えると、、TPMSは必須かもしれません。
EV車の出動理由TOP3
EV車も増えてきており、こちらの出動理由TOP3も紹介します。
- タイヤのパンク・バースト(28.88%)
- 過放電バッテリー(20.52%)
- EVの駆動用電池切れ(11.3%)
EV車でもタイヤトラブルやバッテリー関連のトラブルが多いことがわかります。特に長距離走行前の準備はしっかり行うことが重要です。
路面清掃回数の減少
国土交通省によると清掃回数が平成21年までは年間86回だったのに対し、年間12回に減っています。
理由については明らかにしていませんが、恐らく経費削減の影響と思われます。
路面も汚れが溜まる頻度が高まっている可能性がありますので、ゴミを踏んでスローパンクチャーに気づかない。なんてことは防ぎたいところですね。
参考:国土交通省 国道(国管理)の維持管理等の 現状と課題について
TPMSの必要性
TPMSの必要性は、安全性と経済性の両面から説明することができます。まず、安全性についてですが、タイヤの空気圧が適正に保たれていないと、タイヤのバーストやパンクが発生するリスクが高まります。高速走行中にタイヤがバーストすれば、車両のコントロールが失われ、重大な事故に繋がる可能性があります。TPMSは、このような事態を未然に防ぐために、タイヤの空気圧を常に監視し、異常が発生した際にドライバーに警告を送る役割を果たします。
特にランフラットタイヤですとパンクしても走れてしまいますので空気圧が低下してても気づきにくいですよね。
経済性の観点から見ると、適正な空気圧を維持することで、燃費の向上やタイヤの寿命を延ばす効果が期待できます。タイヤの空気圧が低下すると、転がり抵抗が増加し、燃費が悪化するだけでなく、タイヤの摩耗が早くなります。これにより、タイヤの交換が頻繁になり、結果的に維持費が増加します。TPMSを活用することで、これらの経済的な負担を軽減することが可能です。
このように、安全面と経済面の双方から、TPMSは現代の車両において欠かせないシステムと言えるでしょう。特に長距離運転や高速走行が多いドライバーにとっては、TPMSを導入することを推奨します。
適正な空気圧ですとタイヤのたわみが減り、ハンドリングも変わってきます。運転が楽しいですよね。
安全、快適、運転する楽しさまで関わってきます。
タイヤ空気圧センサーは日本で義務化されている?
日本では、タイヤ空気圧センサー(TPMS)は現時点で義務化されていません。多くの国では、車両の安全性を向上させるためにTPMSの装着が法律で義務付けられていますが、日本ではまだ法的な義務化に至っていないのが現状です。
日本でTPMSが義務化されていない理由として、主にコスト面が挙げられます。全ての車両にTPMSを搭載することで、車両価格が上昇し、消費者への負担が増加する可能性があります。また、日本の道路は比較的整備されており、タイヤのトラブル発生率が他国に比べて低いため、義務化の必要性が低いと考えられている一面もあります。
ただし、一部の高級車や輸入車では、すでにTPMSが標準装備されている場合があります。これは、これらの車両が国外での販売も考慮されているためです。また、日本でもTPMSの装着が推奨される動きがあり、将来的には法制化が進む可能性もあります。
欧州やその他TPMSが義務化されている国
欧州では、2014年11月以降、TPMSの装着がすべての新車に対して義務化されています。これは、タイヤの空気圧が適正でない場合に発生する事故リスクを減少させるためであり、環境保護の観点からも重要視されています。空気圧が低下すると燃費が悪化し、二酸化炭素の排出量が増加するため、適正な空気圧を維持することが求められているのです。
欧州以外でも、TPMSは多くの国で義務化されています。例えば、アメリカでは2007年から、韓国でも2013年からTPMSが新車に義務付けられています。また、中国や台湾、ロシアなどでも同様の規制が導入されています。これらの国々では、TPMSの導入が進んだ背景に、過去の重大事故や環境規制の強化が挙げられます。
これらの国々で義務化が進む一方で、日本は義務化が遅れている現状にあります。しかし、国際的な基準に合わせて、今後日本でもTPMSの法制化が進む可能性があります。特に輸入車が増加する中で、日本でもTPMSが標準装備される車両が増えていくことが予想されます。
参考:総務省 TPMS/RKE
日本のTPMSの電波法に基づく規制
日本では、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)に使用される無線通信が「電波法」に基づいて厳しく規制されています。TPMSは無線技術を利用して、タイヤの空気圧情報を車両の受信機に送信する仕組みですが、この無線通信には一定の周波数帯を使用します。日本では、315MHz帯が利用されており、この周波数帯での運用が法律によって許可されています。
万が一433MHz帯の周波数のTPMSを使用している場合は刑事罰対象となりますので気をつけたいところです。
参考:総務省 電波法抜粋
一方、欧州や米国などの多くの国々では、433MHz帯の周波数が標準として広く利用されています。しかし、日本ではこの433MHz帯の利用が制限されており、これが国際的なTPMSの導入において一つの障壁となっています。433MHz帯は、日本国内ではアマチュア無線や国際輸送用RFIDなど他の用途に使われているため、干渉を避けるための検討が必要となります。
参考:総務省 「433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリに係る技術的条件」の検討開始について
今後、日本でのTPMSの普及を進めるためには、433MHz帯の利用に関する法的枠組みの見直しが求められるでしょう。日本の規制が国際基準に合わせて進化することが期待されますね。
TPMSの義務化が待たれる日本での発展性
・TPMSを後付けすることも可能?
・日本国内のBMWでTPMSが装着されている車両は?
・TPMS 国内標準搭載車の現状
・空気圧センサーのデメリットはあるか
・TPMS 直接式(内蔵型)のメリット
・TPMS 間接式のメリット
TPMSを後付けすることも可能?
実のところ、コーディングでTPMSをアンロックして、BMW純正品のTPMSを購入し装着することも可能です。(結構良いお値段に。)
アフターパーツメーカーがTPMSを廉価で販売しているパーツも出回っているのですが、装着後しばらくすると電波が正しく飛ばずにエラーとなってしまう不安定な商品があったり、日本の総務省で許可されていないヨーロッパ規格の433Mhz帯を販売されていたり(電波法違反)と、あまり良い印象がないのが現状です。
そんな中、とある日本のパーツメーカーさんが、日本の公共機関のバス、貨物トラック向け等にTPMSをOEM開発している世界でも信頼のあるメーカーさんと、BMW用のアフターパーツ向けにTPMSを開発中とのこと!
バスやトラックのタイヤは特殊で、大きな荷重に耐えられる様に強度があります。その強度を作っているのがカーカスコード。俗に言うワイヤーというやつですね。タイヤが極端に減ってくると出てくるやつです。これがバス、トラック用タイヤは通常のタイヤに比べて分厚く何層も重ねられて作られています。分厚いので乗用車用のTPMSを付けたところで電波が受信できません。
そんな分厚いカーカスの壁をTPMSの電波を安定して送信できる技術を持っているすごいメーカーさん。
もうすぐ詳しい話ができますのでまたお話しします^^
日本国内のBMWでTPMSが装着されている車両は?
日本国内で販売されているBMW車両の高級セグメントや一部の上位グレードでは、TPMSが標準的に装備されており、ドライバーの安全性とタイヤのパフォーマンスを高めるために役立っています。
具体的には、BMW各シリーズやMモデルの上位グレードにのみTPMSが装着されています。これらのモデルでは、直接式TPMSが採用されており、タイヤの空気圧をリアルタイムで監視し、異常が検出された際には即座に警告が表示される仕組みになっています。
ただ現状はそれ以外のグレードは間接式が採用されています。
TPMS 国内標準搭載車の現状
日本国内では、TPMSの標準装備が徐々に進んでいますが、その普及はまだ一部の車種に限られています。特に、高級車や輸入車では、欧米の規制に準じてTPMSが標準搭載されていることが多いです。例えば、レクサス、トヨタの一部モデル、日産のGT-Rなどの高性能モデルには、すでにTPMSが標準装備されています。
一方で、一般的な国産車では、TPMSがオプション装備として提供されている場合が多く、全車両に標準搭載されているわけではありません。これは、コストの問題や日本国内の法規制がまだ義務化に至っていないことが影響しています。しかし、自動車メーカーは安全性の向上を重視しており、今後の規制強化に伴い、TPMSの標準装備が増加することが予想されます。
空気圧センサーのデメリットはあるか
空気圧センサー(TPMS)は、車両の安全性向上に役立つ重要な装置ですが、いくつかのデメリットも存在します。まず、初期導入コストが高い点が挙げられます。特に直接式TPMSは、各タイヤにセンサーを取り付けるための費用がかかり、車両価格も高くなる傾向があります。また、センサーが故障した場合や電池が切れた場合には、修理や交換が必要となり、追加の費用が発生する可能性があります。
次に、メンテナンスの手間が増えることもデメリットの一つです。直接式TPMSの場合、センサーのバッテリー寿命が約5〜7年であり、その間に電池が消耗するため、センサー自体を新品に交換する必要があります。
間接式TPMSの場合の考えられるデメリットとして、システムがすべての状況で正確に作動しないことがあります。例えば、前輪左右のタイヤの空気圧が同時に低下した場合や、均等に摩耗した場合には、間接式TPMSが異常を検知できないことがあります。ABSセンサーでタイヤの回転数の差を拾って警告を上げる為です。よって間接式は直接式に比べて信頼性が劣るとされています。
これらのデメリットを考慮すると、空気圧センサーの導入に際しては、コストやメンテナンスの負担を理解し、長期的な視点で検討することが重要です。
TPMS 直接式(内蔵型)のメリット
直接式 内蔵型TPMSの最大のメリットは、高い精度と信頼性です。タイヤの回転数や他の間接的な方法ではなく、実際の空気圧を直接測定するため、誤報や検知漏れが少なく、タイヤトラブルを未然に防ぐことができます。また、システムがタイヤごとに個別のセンサーを使用するため、特定のタイヤにだけ問題が発生した場合でも、その情報を正確に取得できます。
タイヤ温度も確認ができて空気の膨張まで察しがつく様になります。
さらに、直接式 内蔵型TPMSは、異常を検知した際に即座にドライバーに警告を発するため、迅速な対応が可能です。これにより、高速走行中のバーストやパンクなど、重大な事故を未然に防ぐことが期待できます。
TPMS 間接式のメリット
TPMSの間接式システムは、コストパフォーマンスの良さと取り付けの簡便さが大きな利点です。間接式TPMSは、タイヤの回転数を監視することで空気圧の異常を検知します。このシステムは、車両に既存のABSセンサーを利用しており、追加のハードウェアが不要なため、導入コストを抑えることが可能です。また、タイヤ内部に直接センサーを設置する必要がないため、ホイールやタイヤ交換時にも再設定が比較的簡単で、メンテナンスの負担がないこともメリットです。
間接式TPMSはコスト面での優位性がある一方で、精度や信頼性においては直接式に劣ってします。
TPMS日本で義務化?BMW日本で2024年内に全グレードでTPMSを標準搭載! 総括
- BMWが2024年内に全グレードにTPMSを標準採用する予定
- TPMSはタイヤの空気圧を常時監視し、異常時に警告するシステムTPMSには「直接式」と「間接式」の2つの方式がある
- 直接式TPMSは高精度で信頼性が高いが、コストがかかる
- 間接式TPMSはメンテナンスコストが低い
- 日本ではTPMSは現時点で義務化されていない
- 日本でTPMSが義務化されていない理由は主にコスト面にある
- 欧州では2014年以降、TPMSが全新車に義務化されている
- アメリカや韓国、中国でもTPMSは義務化されている
- 日本の電波法により、TPMSは315MHz帯で運用される
- 433MHz帯のTPMSは日本で使用が制限されている
- 国内のBMWの上位グレードにはすでにTPMSが標準装備されている
- 日本国内でのTPMS普及には法規制の見直しが求められている
- TPMSの導入により、タイヤのトラブルを未然に防げる
- アフターパーツ市場では、日本の規制に準拠していないTPMSも存在する